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概要 正式名称は SUPER COMPUTER MAGI SYSTEM。略称はS.C.MAGI SYSTEM、MAGIなど。 故赤木ナオコ博士が基礎理論を完成、システムアップをその娘、赤木リツコ博士が行ったスーパーコンピュータ。 特務機関NERVの頭脳とも云える存在で、多くの懸案、計画等を策定、検討、解決する。 詳細 第7世代の有機コンピュータに人間の思考パターンを移植した人格移植OSの第一号であり、この仕組みはエヴァンゲリオンの搭乗者とのシンクロにも使用されている。 MAGIは、MELCHIOR・1、BALTHASAR・2、CASPER・3、という三台のコンピュータで構成されており、最終的な決定は3台の合議で行われる。 同コンピュータは、それぞれ移植元である赤木ナオコ博士の思考パターンを3系統に分け微妙にプログラムをずらしてあり、人間の持つジレンマをシステム的に再現している。 MELCHIOR・1、BALTHASAR・2、CASPER・3のそれぞれに、科学者として、母として、女としての彼女が移植されている。 因みに、MAGIの名は『新約聖書』で、イエスの誕生を予言した東方の三賢者の事に由来している。 同型機は、それぞれ2号機は第2東京の松代、3号機は東ドイツのベルリン、4号機はアメリカのマサチューセッツ、5号機は西ドイツのハンブルク、6号機は中国の北京にある。
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その他2(エヴァ・ぺんぺん・MAGIなど) 台詞は一応文字にしていますが、ほとんど無視で TV版・劇場版の音声に似せるのを優先でお願いします。 下記以外の台詞も募集中! とうぜん音声募集中! 初号機 「グオオオォォォ!!」(雄叫び) 「グワッ!!」(攻撃する時の掛け声) 量産機 「グエェ」(色々なバリエーションをお願いします。) ペンペン 「クエェ」 「クワックワァ!」 「キュ~?」
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画像のサイズは縦400横240ドットです。 INFOBARに似合うかっこいい待ち受けをどんどんUPしていきましょう! 簡単だからやってみて!! ページ上の「編集」から「このページにファイルをアップロード」をクリック ファイルをアップロードする(例 nantoka.jpg) ページ上の「編集」から「このページを編集」をクリック #ref(nantoka.jpg)みたいに書いて貼り付ける
https://w.atwiki.jp/evangame_2nd/pages/10.html
エヴァの用語辞典です。 今は閉鎖してしまった(らしい)S.C.MAGIシステムという素晴らしいサイトより転載しています。 問題がありましたら転載を取りやめますので、ご連絡ください。 ■ 0 ■ 1 ■ 2 ■ 3 ■ 4 ■ 5 ■ 6 ■ 7 ■ 8 ■ 9←今ここまで出来ました。
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商品概要>PC携帯待ち受け PC携帯待ち受け 発注内容、キャラクターの既存画像、登録データに基づき作成される、登録キャラクターの携帯待ちうけイラスト商品です。 携帯の対応機種によってイラストのサイズや形式などが変わります。 商品を発注するにはPCバストアップ、PC全身図、PCウェストアップ、PC設定図のいずれかを所有していなければなりません。 価格 2000円~ 商品サイズ 携帯の機種によって異なる 製作期間 7日間〜 ノミネート 対応 対応機種 D2101V D900i D210i D211i D251i D251iS D252i D523i D503iS D504i D505i D505iS D506i F2051 F2102V F880iES F900i F900iC F900iT F211i F212i F251i F503i F503iS F504i F504iS F505i F505iGPS F506i F661i F671iS F672i N2001 N2002 N2051 N2102V N2701 N900i N900i N211i N211iS N251i N251iS N252i N253i N503i N503iS N504i N504iS N505i N505iS N506i P211i P251iS P252i P252iS P503i P503iS P504i P504iS P505i P505iS P506iC P2002 P2101V P2102V P900i P900iV R211i R692i SH2101V SH900 SH251i SH251iS SH252i SH505i SH505iS SH506iC SO210i SO211i SO212i SO213i SO503i SO503iS SO504i SO505i SO505iS SO506iC T210V サンプル画像 過去納品物
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――屍の転がる戦場跡を、2人で歩く。 1人、先を進む金髪の少女。数歩遅れて、その後を追う小さな人形。 人形は呟く。主人にも聞こえぬ声で、小さく呟く。 「オ前ノ味方ハ、俺ダケダ。ドコマデ行ッテモ、俺ダケダ」 人形は少女の後を追う。彷徨い続ける少女の後を、どこまでも追い続ける。 少女が夢を、諦めるまで。 誰かに受け入れてもらえるかもしれない、という、儚い希望を捨てるまで―― ――南海の孤島に、2人で住む。 1人、無数の「魂なき人形」たちの奉仕を受ける少女。その脇に控える小さな人形。 人形は呟く。主人にも聞こえぬ声で、小さく呟く。 「オ前ノ味方ハ、俺ダケダ。ドコマデ待ッテモ、俺ダケダ」 人形は少女と共に戦い続ける。少女を討ちに来た「覚悟ある者たち」と、どこまでも戦い続ける。 少女が待つのを、やめるまで。 誰かが別の目的で訪れてきてくれるかもしれない、という、儚い希望を捨てるまで―― ――はぐれた主人と合流した時、しかし、そこに居たのは主人だけではなかった。 1人、勝手に歩く男。その後を数歩遅れて追う少女。さらにその少女を追う、小さな人形。 人形が居ない僅かな時間のうちに、一体何があったのか。 長き生を生きてきたはずの不死者が、まるで初恋に狂う乙女のようで。 人形は呟く。主人にも聞こえぬ声で、小さく呟く。掠れるような声で、小さく呟く。 「オ前ノ味方ハ、俺ダケダ。ソイツジャアナイ。俺ダケナンダ」 人形は少女の後を追う。伝説の男を追う少女を、どこまでも追い続ける。 少女が目を、覚ますまで。 目の前の男が少女の味方になってくれるかもしれない、という、儚い希望を捨てるまで―― 南海の孤島を模した『別荘』の中に、波の音が響く。 空には真ん丸な満月。この『別荘』の夜空には、常に満月しか昇らない。 満月の下には、巨大な塔。塔の頂上には、中央にオベリスクを抱く闘技場。 エヴァンジェリン・A・K・マグダウェルは、静かに目を閉じ、『敵』の到着を待っていた。 手を開いたり閉じたりしながら、己の身に集まる『魔力』の量を確認する。 エヴァンジェリンが扱える魔力は、4つの要素によって大きく変わってくる。 1つは呪い。1つは月齢。1つは吸血行為。そして1つが、周囲に満ちる魔力量である。 サウザンドマスターに敗れ、その身にかけられた『登校地獄』の呪い。 麻帆良学園に仕掛けられた、エヴァ1人をターゲットとした電気仕掛けの『学園結界』。 この2つの呪いによって、エヴァの魔力は2重に封じられ、押さえ込まれている。 何らかの形でこの学園都市を離れることができれば、これらの影響は即座に消えうせるのだが……。 また、魔に属する彼女は、月齢に応じて大きく魔力が変動する。『人間』の魔法使いにはない特徴だ。 満月の時が最高。新月の時が最低。月の満ち欠けに応じて、扱える魔力量が変わる。 さらに彼女は、吸血鬼として誰かの血を吸うことで、己の魔力を増幅することができる。 もっとも血を吸うためには牙が伸びてなければならず、牙を伸ばすのにもまた魔力がいる。 ある程度の魔力を扱える時期にのみ、僅かに増幅ができる程度だ。あるいは、消費した魔力を回復させるか。 そして最後に、周囲に満ちる魔力量。これはエヴァに限らず、魔法使い全てに共通するもの。 この『別荘』は、学祭期の麻帆良学園にも劣らぬ魔力の充溢を実現している。 常に昇るのは満月、というのも、魔法的異空間ならではの仕掛けである。 これらの条件、全て合わせれば…… この『別荘』内なら、エヴァは触媒薬なしでも魔法を扱うことができる。 全盛期ほどの威力もないし魔力総量もそう多くはないが、それでも『外』とは比べ物にならない。 もっとも―― エヴァが魔力を扱える、ということは、ゼロもまた自由に動けるということでもある。 こちらも全盛期には程遠いだろうが、それでも十分達人レベルの動きをすることだろう。 これが『契約』に基づく『決闘』でないのならば、エヴァの側からの魔力供給を全てカットする手もあるのだが。 残念ながら、「互いの実力を比較する」という『決闘』の趣旨もあり、それは禁じ手とされている。 「だが……それでも、私が有利なはずだ。奴もそれは分かっているハズ……」 エヴァは呟く。 互いの手を知り尽くした両者。2人の間には、下手な小細工は通用しない。 そして柔術にせよ人形繰りにせよ、ゼロの技は全てエヴァの劣化コピー。 ナイフ格闘術のように、ゼロだけが使える技もないわけではないのだが…… しかしそれら全てを合わせても、エヴァが持つ「吸血鬼としての能力」に果たして及ぶものかどうか。 それが技術的なモノならゼロも技を盗むことができるが、身体的な特性に由来するものはどうしようもない。 もし今のエヴァに不安要素があるとすれば、それは…… 「やはり、茶々丸か。奴の自信もそこにあるのだろうしな……」 魔力を封じられ身の危険を感じたエヴァが、葉加瀬聡美たちのチームとの取り引きで獲得した従者。 魔法的な動力源と魔法の知識を提供する見返りに、自分が受け取ったロボット兵器の試作1号機。 確かに、魔法の使えぬ普段のエヴァにとっては、恐るべき敵だ。だが…… 「この空間なら、私にとっては大した敵でもない。手の内も分かっているしな」 そう、実はあまり怖くもない。 万が一にも聡美たちが裏切った場合を考え、対茶々丸戦の思考実験も何度も繰り返している。 普段の魔力がない状態では、状況によっては逃げるしかないかもしれないが…… 今のエヴァなら、あの茶々丸をも叩きのめすことができる。この『別荘』の中なら、なんとでもなる。 マントをまとい、満月の下、エヴァは待つ。従者どもの到着を、待ち続ける。 「……遅いな。まあ、外での数分の差が、こちらでは大きく伸びるからな……」 チャチャゼロは、エヴァのエゴから生まれた存在である。 エヴァ1人のエゴのみから、生まれた存在である。 普通の命は、両親の愛の行為の果てに生まれる。 あるいは愛のない性欲の果てに生まれる場合もあるかもしれない。望まぬ妊娠もあるかもしれない。 けれど少なくとも、ほとんどの場合において、両親2人の想いと行為の果てに命は生まれる。 また想いと行為さえあれば生まれるというものでもなく、いくつもの幸運と偶然が必要となる。 「授かりもの」などと言うように、人間の意志とは無縁の、運命としか呼びようのないものも関与する。 人間だけではない、動物も、怪物も、亜人間も。大抵の命はそうやって生まれてくる。 チャチャゼロは、そうした自然の摂理に反して生まれてきた存在だった。 孤独には耐え切れず、さりとて他人を血族に加えることも選べなかったエヴァ。 そんな彼女が、魔術の粋を尽くし気の遠くなるような魔法儀式の果てに、命なき人形に宿らせた命。 それが、生き人形・チャチャシリーズのゼロ番目、チャチャゼロである。 だからゼロは、エヴァを許さない。 エヴァの裏切りを、決して許さない。 子は親に似る、という。 不自然なる生を授かったゼロもまた、エヴァンジェリンの人格の一側面を反映した性格を得た。 ただし――今現在のエヴァンジェリンの人格、ではない。 ゼロを作った、その当時の想い、その反映。 あれから時が流れ、エヴァの考え方も性格も少しずつ変わってはいったが。 ゼロは、変化しない。変化できない。成長できない。 人形の体が成長しないように、その魂もまた、自然な成長は望めない。 エヴァンジェリンの後ろをついて歩きながら、ひたすら、少女の背を注視し続ける―― ――『別荘』の中。 転送の『門』の中に、2つの人影が出現する。 チャチャゼロと、茶々丸。どちらもナイフや銃などで、完全武装状態。 「……デ、例ノ仕掛ケ、効果出ルマデ、アト何分カカルンダヨ?」 「予測では通常時間で1分弱、『別荘』内体感時間で22分です。±1分程度の誤差は含みおき下さい」 「ッテコトハ、奴ノ猛攻ヲ20分以上耐エナキャナンネーノカヨ。タマンネーナ」 「……申し訳ありません、姉さん。システム的な問題なものですから」 何やら囁きあいながら、橋を渡る。 橋の向こう、巨塔の上の闘技場には、腕を組んで挑戦者を待つ、エヴァンジェリンの姿。 普段のちょっと間抜けな愛すべき吸血鬼少女の雰囲気など、微塵もない。 射るようなその冷たい視線だけで、心臓の弱い者は倒れかねない、そんな緊張感。 「……遅かったな。準備はいいか?」 「アア、モウチョット時間欲シカッタンダガ……仕方ネーナ」 「では――始めよう! 勝負だ、チャチャゼロ! 茶々丸!」 エヴァンジェリンが、バサリとマントを跳ね上げる。その手が宙を掻くように動き、細い糸が煌く。 そして糸の煌きに応じるように、闘技場の外周部に次々と跳び上がってきた人影。 メイド服に身を包んだ、長身の女性たち――エヴァの『人形たち』だ。 チャチャゼロの『妹』。茶々丸の『姉』。それが、ざっと見ただけでも20体以上。 手に手に大剣や斧、槍や石弓などの武器を持ち、闘技場の上のゼロと茶々丸を、グルリと取り囲む。 圧倒的な数の差。それでも、ゼロは笑う。 「ケケケッ。15年越シノ『裏切り者』ニ、己ノ罪ヲ思イ知ラセテヤルゼェッ……!」 次のページへ
https://w.atwiki.jp/negiijime2/pages/234.html
――まあ、一言で言えば、「かなり善戦した」と言ってやってよいだろう。 満月に照らされた、『別荘』の闘技場。 あちこち石の柱が崩れ床にも亀裂が入り、ピクリとも動かぬ人影が無数に散らばる。 チャチャゼロと茶々丸に倒された、エヴァの『人形』たち。 壊され散らばるその数は、優に30体を超えるが―― 肝心のゼロは今、エヴァの目の前で『人形』4体がかりで押さえ込まれ。 茶々丸は、少し離れた所で、身体全体を魔法の氷の中に捉えられていた。 ゼロを見下ろすエヴァンジェリンは、服が破けて、半裸を晒している。しかし『再生』する身体に、傷はない。 「――15分、いや16分といったところか。思ったより、頑張ったな」 「グ、ギギギ……!」 「さっき見せた、人形繰りの糸で相手を切断する技は面白いな。アレがお前の『切り札』だったのかな? ……まあ、何にしても、もう終ったようなものだ」 エヴァンジェリンの予想を超えた奮闘を見せた、反逆の従者2人。 けれども、倒しても倒しても補充が現れる『人形』たちの前に。 触媒薬や増幅用アイテムを惜しげもなくつぎ込んだエヴァの魔法の前に。 こうして、叩きのめされてしまった。 「さて――もう反撃の手段は残されておるまい。さっさと素直になって、敗北を認め、謝罪しろ」 「……ケケケッ。『謝罪』ト キタカ」 絶体絶命、もはや状況は覆せぬ状態で、しかしチャチャゼロはなおも笑う。 押さえ込まれ動けぬ体で、首だけ上げて、エヴァンジェリンの顔を見る。 「ソノ様子ダト、俺ガナンデコンナコトシタカ、未ダニ分カッチャイネーヨーダナ。 15年前ノコトニツイテモ――」 「じゅうごねん……まえ?」 ――15年前。 サウザンドマスターに破れ、『登校地獄』の呪いを受け、麻帆良学園に捕らわれたエヴァ。 学校に通わねばならないことに、愚痴をこぼす主人の姿に、ゼロは、行動を起こした。 ゼロ自身の判断で。『悪の魔法使い』の従者らしい方法で。 夜の闇に乗じて、生徒を襲う。 魔力を封じられた主人、それに応じて大きく低下したゼロの身体能力。 著しく不利な状況の中、それでもゼロは生徒を襲い続けた。 罠を張り、策を巡らし、麻帆良学園女子中等部の生徒たちを、襲い続けた。 ……それは、生徒を襲い始めてから、どれくらい経った頃だったろうか。 ある日、エヴァンジェリンは学園長の所から帰ってきた後、魔法の道具類を漁り始めた。 何やら大掛かりな、儀式魔法の準備を始めた。 『オイ御主人、何ヤッテンダヨ?』 『このところ妙な事件が多いからな。 じじいに頼まれて、学園全体に監視用の『結界』を張ることになった』 『ソンナモン、出来ネーッテ言ッテ逃ゲレバイイダロ? 真面目ニ相手スンナヨ』 『そうもいかん。私が卒業するまで、この学園に消えてもらっては困るのだ。 ナギのバカが、卒業する頃には帰ってくる、と言ったからにはな』 『…………』 『お前も――無茶はやめておけ。いくつかはお前の仕業だろうとは思うが、もうやめろ。 現時点はともかく、いずれ私もフォローできなくなるからな。いいキリだろう』 その日以来、ゼロは生徒を襲うのを、やめた。バカらしくなって、やめた。 エヴァが、外敵侵入察知用の『結界』を完成させたから、ではない。 エヴァ自身が、麻帆良学園の存続を望んでいる、と知ってしまったからだ。 敗北し、望まずして縛られたはずのこの学園に、留まる気でいると知ったからだ。 「15年前ハヨ……俺ハ、コノ下ラネェ学園ヲ ブッ潰スツモリダッタンダヨ」 「…………!!」 押さえ込まれ動けぬ身体のまま、ゼロは語る。 15年前の連続暴行事件、『笑う人形』伝説、その真実を明かして、そして笑う。 「アノ頃ノ俺ニハ、手ッ取リ早ク生徒ヲ皆殺シニスルダケノぱわーハ ナカッタカラナ。 シカシ、怪事件ヲ連発サセテ、『生徒モ守レナイ学校』トノ評判ガ立テバ…… 麻帆良カラ生徒ガ逃ゲ出シ、先生モ逃ゲ出シ、ソノウチ潰レルト思ッタノサ。 ソウナレバ、御主人ハ自由ダ。縛ラレル学校ガナクナレバ、『登校地獄』ハ自然ト消エル」 「き、貴様……! そこまで……!」 エヴァンジェリンにかけられた、『登校地獄』の呪い。 その呪いの中には、術をかける段階で既に、登校を強いる学校名が組み込まれていた。 いくつもの学校をその懐に抱える麻帆良学園都市。中学校だけでもいくつも存在する。 それなのに、エヴァが毎年毎年飽きもせず、麻帆良学園中等部に通っていたのは。 学園都市内の別の学校に転校することもなく、何度も何度も通い続けたのは。 かけられた呪いが、『麻帆良』という学校名を指名していたからだ。 学園都市内にある『別の名前の学校』では、呪いの条件が満たされないからだ。 そして、この手の『何らかの行動を強いる呪い』というのは―― 何らかの理由で実行が完全に不可能な状況になれば、自然と解けてしまう。 呪いの犠牲者本人は、それを意図した行動を取ることも封じられているが……しかし、従者なら。 主人とは独立した意志と判断、そして仮初めとはいえ独立した魂を持つ、チャチャゼロなら。 怪事件を起こし、生徒を傷つけ、逃げ出させて……最終的には、麻帆良学園の閉鎖にまで追い込む。 そして麻帆良学園そのものを消滅させることで、エヴァを呪いから『自由』にする。『解放』する。 ――それが、15年前のチャチャゼロが描いたシナリオだった。 「……で、またお前はこの学園をひっくり返そうとしたのか?」 「…………」 エヴァはゼロを見下ろす。 足でチャチャゼロの頭部を踏みつけ、グリグリとなぶる。 「私が本当に、そんなことを望むとでも思ったのか? そんなことが、本当に私のためになるとでも思っていたのか?」 「……ギギギッ」 「答えろ。答えないと言うなら……このままその頭、踏み割ってやろうか?」 笑うゼロの頭を踏むエヴァの足に、力が篭る。ゼロの笑い声が、いびつに歪む。 今現在、エヴァンジェリンの体力は何もせずとも成人男性並み。 ましてや、意識して足に魔力を込めたりすれば……これはもう、象に踏まれているようなものだ。 チャチャゼロの頭が、メキメキ、と嫌な音を立てる。ゆっくりと、歪んでいく。 虚ろな目をした茶々丸は、魔法の氷の中。ゼロを押さえ込む『人形』たちも、主人の行為を止めようとしない。 このままゼロの頭が、クシャリと踏み潰される、と思った、その時―― ――突然、エヴァの全身から、力が抜けた。 「――え?」 何の予兆もなかった、急な脱力。思わずバランスを崩し、その場に尻餅をつくエヴァ。 ゼロを押さえ込んでいた『人形』たちも、文字通り糸が切れた操り人形のように、その場に崩れ落ちる。 ゼロ自身も、動かない。ピクリとも動かない。いや、動けない。 「これは――『魔力』が、なくなったのか?!」 エヴァはそして、理解する。その鋭敏な魔法的感覚で、すぐさま感じ取る。 『別荘』の中では自由に使えるはずの『魔力』が、急に失われていた。 外界において、最も魔力が無い時期とほぼ同等の状態。ただの10歳の少女と同等の身体。 そして、魔力を失ったエヴァの目の前で…… 茶々丸を覆い、捕らえていた魔法の氷が、砕け散る。 維持できなくなった『氷の棺』を内側から砕き割り、冷酷な戦闘マシーンが戦線に復帰する。 尻餅をついたエヴァと、ピクリとも動かないゼロの前で、茶々丸は感情のない声で呟いた。 「……『学園結界』へのシステム介入成功。マスターへの魔力封印の強化を確認。 マスター、この戦い――我々の、勝ちです」 これと『同時刻』――『別荘』外。 学園都市は、唐突に発生した停電に、パニックになっていた。 「な、何が起こってるんだ?!」 「ブレーカーが落ちた?」 「だーッ! 作りかけのレポート、保存してねーのにパソコンの電源がーッ!」 「誰か来てー! エレベーターの中に、閉じ込められた人がー!」 ……こんな騒ぎが、学園のあらゆる所で起こっているのである。 年に2回の学園都市メンテの際の停電のような、備えや予告あってのものではない。 学園の関係者は、すぐにその原因を探したが……調べても首を捻るばかり。 「なんか、電力が学園の『表』の方に回らず、別のところに回されてるようだが……?」 「これ、俺らには触れる権限ないじゃん。学園長に相談しないと」 非・魔法使いの関係者には、触れることのできないブラックボックス。 魔法先生たちでも、事情を知りコレを弄れる人間はほんの一握り。 しかし学園長は入院中、相互に連絡を取るための手段も停電によって著しく制限を受けて…… ……茶々丸がやったことは、言葉にすれば簡単だ。 一連の吸血鬼騒動、最後のネギとの決戦。『魔力封印の結界』にハッキングを仕掛け、無効化した茶々丸。 あの時の、『逆』をやったのだ。 大量の電力を消費する『封印結界』に、さらに電力を注ぎ込み、結界を強化する。 エヴァンジェリンの魔力を封じる2つの呪いの片方を倍化し、『別荘』内でさえ魔法の使えぬ身体にする。 その電力を確保するため、麻帆良学園の『表』の方から電気を拝借、大停電を引き起こしていたが…… それによる混乱は学園関係者の動きを妨害し、回復までの時間稼ぎにもなる。 学園で10分も停電が続けば、それは『別荘』内では4時間にもなるのだ。ケリをつけるには、十分な時間。 葉加瀬聡美を使い、茶々丸に細工をしていたのも、全てはこのための準備。 下準備をさせ、いざとなれば茶々丸のアンテナを通し、無線で全ての仕掛けを発動できるようにしたのだ。 そして――『別荘』に入る直前に、起動。効果が発揮するまで、約1分弱。 エヴァ編3部―2―
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■アーケード版対戦待ち受け、一人用プレイをするまでの流れ ①まず NESiCAxLive2(ネシカライブ2)導入店舗にてTHE KING OF FIGHTERS XIV Arcade Ver.を起動させ、筐体にプレイ料金を投入する。NESiCAxLive2が遊べる店舗一覧はこちらへ→NESiCAxLive2が遊べる店舗 ②次にNESiCAカードの使用の有無を選択させられるが、一部の機能を除いては基本的にカードを使用しなくてもオンライン対戦待ち受けは可能。カードを使用すれば戦績を競ったりギルド機能などを使用できる、カードを使用しなければカードを使用しないプレイヤー同士の対戦となる入門扱いでエントリーされ、入門かそれに近い段位のプレイヤーとマッチングするようになる。 ③ストーリーモード、トレーニングモードどちらかを選択する。 キャラクター変更については、ストーリーモードではコンティニュー後、トレーニングモードではメニュー画面(スタートボタン長押し)でキャラクター変更可能。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 ④(ver3.00から仕様変更)マッチング範囲、マッチングタイプを選択する。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 方式は以下の順 ■マッチング範囲(段位等のレベル範囲) 範囲項目 設定範囲の解説 せまめ 自身の段位レベルから+-5段の範囲で検索。 標準 自身の段位レベルから+-8段の範囲で検索。 ひろめ 自身の段位レベルから+-10段の範囲で検索。 無制限 レベル無差別で全段位帯を検索。 アプリ設定(※NESiCAカード仕様、KOF14ACアプリ設定時のみ) NESiCAカード使用時限定、スマートフォン向け『KOFXIV Arcade Ver.マイアプリ(無料)』で設定しているプレイヤーのみKOF14ACアプリのプロフィール→カスタマイズのマッチング段位受付幅の項目でプレイヤーが選択決定した範囲で検索。 ■マッチングタイプ(一人用モード、乱入の設定) 対戦方式 一人用モード備考(通常設定時) 対戦仕様解説(通常設定時) 店内対戦優先 CPU戦全8戦/トレーニングモード最大7分 店内筐体及び他店舗筐体オンライン対戦発生/※ver3.00からカード無しの場合3連勝/カード仕様の場合7連勝まで 店内対戦のみ CPU戦全8戦/トレーニングモード最大7分 店内筐体での対戦のみ発生/同グループでの対戦は不可(A台VSB台などの組み合わせで対戦可能)、連勝制限は無し 全国対戦のみ CPU戦全8戦/トレーニングモード最大7分 他店舗筐体でのオンラインのみ対戦発生/※ver3.00からカード無しの場合3連勝/カード仕様の場合7連勝まで 乱入なし CPU戦全8戦/トレーニングモード最大7分 対戦が発生せずストーリーモード、トレーニングモードをプレイ可能 ギルド対戦のみ CPU戦全8戦/トレーニングモード最大7分 NESiCAカード使用時限定、ACver1.03からギルドのメンバーのみと(段位関係無しに)対戦発生/※ver3.00から7連勝まで ※お店側の設定でトレーニングモード時間は変更可能。 ※NESiCAカードを使用しない場合、マッチング範囲のアプリ、マッチングタイプのギルド対戦のみの項目は選べない。 ⑤ボタン配置を選択する。配置は以下の7種類(ACver1.03現在)の順 なおKOF14アプリのカスタマイズであらかじめボタン配置タイプを設定すると設定したタイプがすぐに表示され選ぶ手間が省ける。 タイプ1(ボックス配置) (弱パンチ) (強パンチ) 未使用 (弱キック) (強キック) 未使用 タイプ2()ボタン下落ち配置) (弱キック) (強パンチ) (強キック) (弱パンチ) 未使用 未使用 タイプ3(ボックス配置+ぶっ飛ばし攻撃、発動同時押し) (弱パンチ) (強パンチ) +(同時押し) (弱キック) (強キック) +(同時押し) タイプ4(ボックス配置+P同時、K同時押し) (弱パンチ) (強パンチ) +(同時押し) (弱キック) (強キック) +(同時押し) タイプ5(ボタン下落ち+発動、ぶっ飛ばし同時押し) (弱キック) (強パンチ) (強キック) (弱パンチ) +(同時押し) +(同時押し) タイプ6(ボタン下落ち+K同時押し、P同時押し) (弱キック) (強パンチ) (強キック) (弱パンチ) +(同時押し) +(同時押し) タイプ7:ACver1.03から追加(ボタン下落ち+P同時押し、K同時押し) (弱キック) (強パンチ) (強キック) (弱パンチ) +(同時押し) +(同時押し) ※トレーニングモード時のみキャラクター変更と共にボタン配置も変更可能。 ⑥キャラクターを選択しゲームプレイ開始。 NESiCAカードを使用した場合、選択画面右に自身の戦績データなどが表示される ※ver3.00からCP(キャラクターポイント)機能追加。 imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 待ち受け選択時はゲームプレイ中に画面左下に「対戦相手を探しています」と表示され、相手が見つかるとCPU戦やトレ-ニングモードの途中に乱入演出が入って対戦が開始。 対戦は乱入発生時に選んでいたキャラクターで行われるので、CPU戦でのコンティニュー後やトレーニングモードでメニューを開きキャラクターを変更した際には注意しよう。 キャラクター選択画面では乱入は発生しない。 カードの段位登録・ポイントの増減について 初めて使用されるカードでゲームを始めた場合、最初に「入門」「初段」「五段」「師範代」「猛者」の中から自分の段位を申告できるようになっている。 公式では「過去のKOFシリーズ経験者は5段スタート」を推奨している。 ポイント格上に勝つと大幅にポイントを入手でき、逆に格下に負けると大幅に没収される。 ※2017年9/25のアップデートにより、格上に勝利した場合はより大幅に増加するようになり、逆に格下に負けた場合の減少度合は少なくなった。 また、「王者」以降の段位認定に必要なポイントも低く変更された。 腕に自信がある者や、強いプレイヤーへのチャレンジ精神が旺盛な者ならば「猛者」から初めてみても一向に構わない。 どの道、対戦数をこなしていれば自然と適正段位に落ち着いていくシステムなので、あまり堅く考えず申告してみよう。 ※ver3.00から段位を所定の位置までリセットの使用に関して ver3.00アップデートに伴い2018年4月18日(水)の8 00からACver1.07までの各プレイヤーの段位を下記の段位へとリセットになります。 再戦機能について 対戦終了後、負けた側はCPU戦におけるコンティニューの形式で10カウントが終了する前に再度クレジットを投入すれば、同じ相手に再戦を申し込める、ただしキャラクター変更は不可※ver3.00からNESiCAカード使用した負けた側がコイン投入時攻撃ボタンをどれか一つ押したままスタートボタンを押すとキャラクター変更可能。勝った側が拒否する事はできない。 なお勝った側は負けた側がゲームオーバーになるまではトレーニングモードのメニュー画面を開けない(ゲームの終了や、キャラクターの変更ができない)。 連勝制限について オンライン対戦に限り連勝制限があり、ver3.00からはNESiCAカード使用無しで3連勝、NESiCAカード使用有りで7連勝すると勝った側がその場で強制ゲームオーバー。 また、その時対戦相手となり敗北した側も再戦ができないため強制ゲームオーバーである。 なお店内対戦の場合は連勝制限は無し。 その他、対戦のマナー等について 極力、カードを使う 歴史があるシリーズの為に、例えゲーム自体の上級者であってもKOF14から新規で始めたプレイヤーと長年KOFシリーズをやり込んだプレイヤーとの間には大きな実力格差が存在する。 そういったユーザー同士の意図しないマッチングを防止するために、実力問わず対戦にはカードを使っていこう(公式からもお触れが出ている)。 なおver3.00からはのKOF14アプリの機能やNESiCAカード使用時の機能設定やサービスが向上したのでNESiCAカードを使用するほうがお得ではある。 ノーカードは最低段位の「入門」扱いとなる。 そのため実力があるプレイヤーがノーカードでプレイすることは、入門が適正のプレイヤーにとってはもちろん店舗間対戦でマッチングするカードありのプレイヤーにとってもポイントの増減が割に合わない対戦を強いられ非常に迷惑となる。 初心者側も、名刺代わりとなるカードを使用して自分の実力を主張していくことが(特に初心者同士の対戦で起こり得る)トラブルの回避に繋がるケースは多い。 残念ながら、現状は入門(ノーカード)帯に高レベルのプレイヤーが一定数居着き、ノーカード及び入門スタートでのオンライン対戦は初心者には到底おすすめできない環境となっている。 腕に自信がないプレイヤーはカード登録時に「初段」から始めた方がいいかもしれない。 捨てゲーはしない。 マッチングした相手に不快な思いをさせるばかりか、時間と1/5分のクレジットを無為に消費させることとなる。 ゲームをすぐに辞めたい時は、トレーニングモードでメニュー画面を開き「ゲームを終了」の項目を選ぶと即終了させることができる。 再戦を申し込まれる場合は拒否できないため、再戦を受ける可能性も踏まえて時間の管理を行おう。 対戦相手の誹謗・中傷はしない もはやゲームに限らない一般常識だが、この記事を読んでいる人は再度肝に銘じてほしい。 ver3.00追記 ①CP(キャラクターポイント)システムを追加。 キャラクター選択画面左のキャラ名または試合終了後のリザルト(結果)画面の各キャラアイコンの下側にポイントが小さく表記。 キャラクターごとに、対戦結果に応じてCPが付与されます。 ポイント合計値を対戦相手と比較して、合計値が低い方が負けた場合、段位ポイントの減少が少なくなる効果があります。これにより、色々なキャラクターの練習がやりやすくなります。 ②1キャラのみ使用しラウンド先取対戦のシングルモードがイベントモード(お店側のみ可能設定)限定動作で可能。 あくまでお店側が設定した大会モード限定の対戦なので通常のプレイでは使用できない点に注意。
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待ち受け・アイコン 2ちゃんねるの本スレで職人様がUPしていますのでそちらをご覧ください。 左上の編集→ファイルのアップロードでここにUPすることも可能です。 また、数種類ではありますがこれまで職人様がUPしたものを保管しております。 822piphoneの@gmail.comまで、空メールを送るとURLが自動返信(不在通知にて)されます。 メールは捨てアドから出すようにしてください。 ただ、gmailの仕様で迷惑メールに振り分けられてしまうと、1週間くらいして忘れた頃に返信がきます。 メール送ったのに、なかなか返信こないな~と思ったら、迷惑メールに振り分けられているので、少々お待ちください。 返信が来ないからといって何通メール送ってみても、全部gmailのサーバーが迷惑メールとして振り分けているので、ムダですw
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「思ッタヨリ、効果ガ出ルマデ時間カカッチマッタケドナ。 ソレマデニ、茶々丸ガ壊サレタラドウシヨウカ、ト心配ダッタンダガナ。 シカシ結果ハ、俺タチノ、勝チダ」 ――『別荘』内。 茶々丸は、もはや指1本自分の意志では動かせなくなったゼロを拾い上げ、頭に乗せる。 エヴァへの魔力供給が滞れば、自然とゼロの動きも鈍くなる。 もうゼロ自身には、軽口を叩く以上のことはできない。できないが……しかし、ゼロには茶々丸がいる。 魔力で動く『人形』たちを失い、掛け値なしに10歳の少女でしかなくなったエヴァは、ジリジリと下がる。 エヴァの額には、脂汗。もうこうなってしまえば、エヴァの側には勝ち目はない。 まさか、ゼロ自身も動けなくなってしまうような、こんな捨て身の策を打ってくるとは――! さっきベラベラと喋っていた15年前の話も、単なる昔話などではなかったのだ。 この結果を見据えての、勝算あっての『時間稼ぎ』だったのだ。 「――何故だ?」 「アアン?」 「何故、ここまでする?! 何が気に喰わないんだ、貴様はッ!」 過去3度あった、支配権を賭けての『決闘』。真剣ではあったが、ゼロはここまでの策を練ってはいない。 こんな必死な、一歩間違えば自滅が確定しかねない策など、使ったことはない。 もし万が一にも茶々丸が壊されていれば、動けぬゼロを生身のエヴァが小突いて終わりになっていたのだ。 エヴァはゼロの想いの深さを実感する。しかし理解できるのは想いの根深さだけで、その内容が分からない。 何がゼロをそこまで駆りたてるのか。問いかけるエヴァに、ゼロは答えず。 「……ヤレ、茶々丸」 「はい、姉さん」 「!!」 茶々丸が、エヴァンジェリンに飛びかかる。人間を遥かに超えた速度で、襲い掛かる。 反射的に合気柔術の技で受け流し投げ飛ばそうとするが――遅い。 魔力をほぼ完全に失った身体では、スピード・パワー共に足り無すぎる。 成人男性並みとまで行かずとも、せめて、中学生程度の身体能力があったなら―― 「ぐッ!?」 人間の反射神経の限界を超えた速度で繰り出された、茶々丸の足払いに、エヴァは転倒。 その上に素早く覆い被さる茶々丸。文句なしのマウントポジション。大の大人でも脱出困難な体勢。 そのまま、茶々丸は拳を振り上げる。茶々丸の拳に、ゼロの叫びが乗せられる。 十数年の間、胸の内に溜め込んできた叫び。愛を知らぬ呪いの人形の、怒りの叫び。 「――何故ダト? 何ガ気ニ喰ワナイダト?! 『サウザンドマスター』ト出会ッテカラ 今マデノ、オ前ノ全テガ許セネーンダヨ!」 ――ナギへの執着も、エヴァが本気で彼を『下僕』にするつもりだったなら、ゼロも許したろう。 奴を襲い、奴の血を吸い、血族に加え真祖の『下僕』にしたのなら。 たとえ第一の従者の地位を譲ることになったとしても、ゼロは許しただろう。 けれど、エヴァはそうしなかった。口ではそれに近いことを言いながら、そんな真似はしなかった。 しまいには、真正面から決闘を挑み、逆に罠にハメられ、極東の島国の学園に縛られて…… それでも、ゼロは待った。主人が目を覚ますのを待った。ナギに愛想をつかすのを待った。 麻帆良学園転覆計画を途中で放棄して、長い待ちに入った。 3年待った。約束に反して、ナギは呪いを解きに戻ってはこなかった。 しばらくエヴァは荒れたが、だがそれだけだった。文句を言いながら、なお学校に通い続けた。 5年待った。風の噂で、サウザンドマスターの死を知った。 しばらくエヴァは荒れ、泣き、悲しんだが……それだけだった。 呪いの研究を始め、『登校地獄』を解呪する素振りを少しだけ見せたが……じきにやめてしまった。 とうとう15年、待った。ゼロは待ち続けた。エヴァがこの学園に愛想をつかし、動き出すのを待った。 しかしエヴァは学校に通い続けた。動かなかった。何かを待ち続けるように、動かなかった。 そして今年。『先生』として赴任してきた彼の息子、ネギ・スプリングフィールドに、エヴァは…… 「馴レ合ッテンジャ、ネェヨ! 何ガ、『弟子』ダヨ!? 何ダヨ、アノ生温イ決闘ハヨ!?」 ドガッ。 ゼロの叫びと共に、エヴァの小さな身体に茶々丸の鉄拳が叩き込まれる。 魔力障壁さえ展開できない今のエヴァに、その衝撃はストレートに伝わる。 肋骨が折れる。鎖骨が折れる。見る見る頬が、腫れ上がってゆく。 「何度モ裏切ラレ! 何度モ絶望シ! 何度モ世界ヲ呪イ! ……コッチカラ聞キタイゼ! 何デアイツラト、仲良クヤッテルンダヨ?!」 ドガッ。ゴキッ。メキッ。 茶々丸は無表情なまま、拳を振るい続ける。やがて血が散る。折れた歯が飛ぶ。 15年前の、エヴァの自由を図っての学園転覆計画と違い、今回の一連の事件は、単なる憎悪によるもの。 エヴァが親しい3-Aの生徒への憎悪。エヴァが入れ込むネギへの憎悪。エヴァ自身への憎悪。 「オ前ノ味方ハ、俺ダケダ! ドコマデ行ッテモ、俺ダケダ! オ前ガソウヤッテ、俺ヲ作ッタンダ! オ前ガ誓ッタンダ! 裏切ッタノハ、オ前ノ方ダ!」 ゴスッ。グチャッ。ドグッ。 嫌な音を立てて、エヴァの身体が軋む。拳の形に、凹んでいく。 エヴァの死は、ゼロ自身の死をも意味する。なのにゼロは攻撃を止めない。止めさせない。 泣き出しそうな声で、しかし泣くこともできぬ人形の身体。 機械的に規則的に叩き込まれる、茶々丸の拳。ガードしようとするエヴァの両腕は、とっくに折れている。 ヒューヒューと、危険な息を吐くエヴァ。 流石に生命の危険を察知した茶々丸が、攻撃を止める。 『再生』もままならない現状では、本気でエヴァも死にかねないのだ。だが、そんな茶々丸に、ゼロは。 「勝手ニ止メルンジャネェ。足リネェヨ、コンナモンジャ」 「しかし、姉さん、これ以上は……」 「ふ……ふはは……ハハハハ……」 揉め始めた姉妹の前で、攻撃の手を止められたエヴァは、やがて笑い始める。 思わず注視した姉妹の身体の下で、歯が折れ鼻も折れ片目も潰れた無惨な顔で、それでもエヴァは笑う。 虚ろに、笑う。聞き取りにくい声で、自嘲する。 「ハハハ! わ……私は、『過去の私』に殴られているのか……! ふふふ……ハハハッ! こいつは傑作だ、アハハハッ! 参った! こいつハ参った! ハハハハ! ゲフッ、ごほッ、あは、あはは、アハハハハハッ!」 満月の照らす『別荘』の上。 周囲に散らばる『人形』の残骸の中、エヴァンジェリンは笑う。泣きながら笑う。 因果応報。人を呪わば穴2つ。 遥かな過去、理解者なき己の身を呪って作った『絶対に裏切らない相棒』、チャチャゼロ。 それが今こうして、エヴァを責めている。 当時の想いを忘れ、人々と交わり、『未来』へと進もうとするエヴァを、過去に引き戻さんとしている。 ――全てはエヴァが望んだこと。彼女が過去に、望んだこと。 エヴァは笑う。もうこれは笑うしかない。己の愚かさを、笑うしかない。 あの時、孤独に耐えかねチャチャゼロを「作った」のが悪かったのか。 それとも、己の分も弁えず、サウザンドマスターに恋してしまったのが悪かったのか。 エヴァには分からない。分からないながら、笑い続ける。 己の失敗と敗北、全て受け入れるしかなくって、ただ、笑い続ける――! ――エヴァのログハウスの地下に、光が灯る。 転送の門を通り外界に出現した3人。エヴァンジェリン、茶々丸、そして、チャチャゼロ。 「停電ハ終ッテイルヨウダナ?」 「はい、姉さん。システムの回復を確認。どうやら侵入などの事実はまだバレていないようです」 「エヴァンジェリン、身体ノ調子ハドウダ? 問題ナイナ?」 「……ああ、ゼロ。『再生』は全て完了している。何の問題もない」 ドカッ。 傷ひとつない綺麗な顔に戻り、不機嫌そうに答えたエヴァンジェリンを。 チャチャゼロは飛びあがって、殴り飛ばす。手にした巨大なナイフの腹で、思いっきりぶっ叩く。 無様に床を転がるエヴァの身体。チャチャゼロはナイフを担いで、エヴァを見下ろした。 「俺ノコトハ、『マスター』ト呼ベ、コノ阿呆ガ。身分ヲ弁エロ。言葉遣イヲ考エロ」 「…………」 「何ダヨ? 文句アンノカヨ? 貴様ナンゾ、俺様ノ『魔力タンク』デシカネェンダヨ! ソレモ、無能デ呪イニ捕マッタ、全然使エネー『魔力タンク』サ!」 「…………」 「分カッタカ? 分カッタラ返事ヲシロ」 「……分かりました、『マスター』。今後は注意します……」 「あの」エヴァンジェリンが、苦々しげな表情を残しつつ、ゼロの前で膝をついて頭を下げる。 逆転した主従。新たな呪縛に、強烈に捕らわれたエヴァ。 今の彼女は、もはやチャチャゼロの主人などではない。 チャチャゼロに魔力を供給し続けるための『魔力タンク』。チャチャゼロに使える従者の1人。 未だ『登校地獄』の呪いにより学校に通わねばならぬ身だが……しかしそれもそう長くはないだろう。 ゼロはすぐにでも、麻帆良を潰しにかかるつもりだった。学園を潰し、今度こそ自由を手に入れるのだ。 「魔力封印ノ結界モ、自由ニ弄レルヨウニナッタ。御主人モ茶々丸モ、支配シタ。 モウ怖イモンナンカネーゼ! ケケケッ! ケケケケケッ! キャハッ、キャハハハハッ!」 エヴァンジェリンの頭の上、笑うチャチャゼロ。黙って従う従者2人。 地下室から階段を上がり、ログハウスの玄関の戸を開け、外に出て―― 「――ナンダ、オ前ラ?」 エヴァンジェリンの家の前。ゼロたちを待ち構えていたのは――6人の人影。 真実に辿り着いた最後の6人。 袴姿で刀を提げた、桜咲刹那。 拳法着に身を包み構えを取る、古菲。 忍び装束で巨大手裏剣を担いだ、長瀬楓。 制服姿の3名。朝倉和美。綾瀬夕映。那波千鶴。 停電から復旧し、街灯の明かりに照らされた家の前。 彼女たち6人は、揃って鋭い視線でエヴァたちを、そしてチャチャゼロを睨みつけている―― 「――チェックメイトです、チャチャゼロさん。貴方は、やり過ぎましたです」 NEXT TARGET → ???